寝ている間のいびき、無呼吸には要注意!

病気について

子供が寝ているときにいびきをかいています。

なんだか途中で息が止まってるみたいで…

たけちゃん先生
たけちゃん先生

寝ている間の無呼吸はいろんな病気の原因になります。

原因と治療法について知っておきましょう!

睡眠時無呼吸症候群、その検査について

寝ている間に息が止まってしまう病気を”睡眠時無呼吸症候群”といいます。

寝ている間に起こるので、病院に受診した段階ではちゃんとした診断はできません。

診断の方法には自宅で行う「簡易アプノモニター」という検査と、入院施設で入院して行う「ポリソムノグラフィー」という検査があります。

簡易アプノモニターは、体内の酸素濃度を確認するSpO2モニターや呼吸の状態を確認する鼻モニターを装着します。

ポリソムノグラフィーは、簡易アプノモニターに加え、寝ているときの脳波や胸部・腹部の動き、体位などを検査します。

その検査結果で重要なのが”AHI”という指標です。

AHIはApnea Hypopnea Indexの略で、日本語では無呼吸低呼吸指数といいます。まったく呼吸をしていない無呼吸と浅い呼吸のみしている低呼吸が1時間あたりに何回起こっているかを表します。

つまり、AHI=30であれば、「1時間あたりに30回」呼吸が止まっている、ということになります。

子どもの睡眠時無呼吸症候群

子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因

子どもの睡眠時無呼吸症候群は、主に扁桃肥大、アデノイド増殖症が原因で起こります。基本的に、子どものいびきはすべて病的です。

扁桃肥大

扁桃肥大は6~8歳、アデノイドは5~7歳で最大になるといわれています。ここに感染などが加わると、さらに肥大します。小学校入学以降は両者とも見かけ上はしだいに縮小します。

子どもの場合、先ほどのAHIは1以下が正常です。それより大きいと睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

子どもの睡眠時無呼吸症候群の治療

子供の場合はほとんどが空気の通りが悪くなることで起こる、「閉塞型」です。そのため、治療としては、両側口蓋扁桃摘出術+アデノイド切除術といった手術が第一選択になります。

閉塞型が原因の場合は、手術をすることで劇的にいびきや無呼吸が改善します。

全身麻酔での手術になるため、だいたい1週間くらいの入院が必要です。

子どもの睡眠時無呼吸症候群が遷延すると…

こどもの睡眠時無呼吸症候群をそのままほうっておくとどうなるか。

まずは睡眠が浅くなることで、日中の集中力の低下がみられます。集中力低下により、学習能力低下や、事故リスクの増加を来します。夜尿(おねしょ)が治らないといった報告もあります。また、日中も鼻呼吸が難しいため、口呼吸をすることにより、特徴的な顔貌(アデノイド顔貌)を呈するようになります。

睡眠時無呼吸症候群があるとわかった段階で、早めに治療介入をしてげることが大切です。

大人の睡眠時無呼吸症候群

大人の睡眠時無呼吸症候群の原因

大人の睡眠時無呼吸症候群は、原因としては肥満、鼻閉や扁桃肥大などが挙げられます。とくに肥満が原因のことが多く、減量により改善する場合があります。

大人の場合、AHIは5以下が正常です。これを超えると異常値となり、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

大人の睡眠時無呼吸症候群の治療

治療としては、肥満が原因の場合は減量をしたり、鼻閉が原因の場合は鼻閉改善のための手術(鼻中隔矯正術や内視鏡下鼻腔手術)をしたり、扁桃肥大が原因であれば扁桃摘出術をしたりします。

ただし、AHIが20を超えるような場合、上記の方法で改善しない場合があります。とくに、AHIが40を超える場合は、できるだけ早めの治療介入が必要で、そのときに使用するのが”CPAP”という機械です。

CPAPとは

CPAPとは、鼻に装着したマスクから送り込んだ空気の圧で空気の通り道を確保する治療です。患者さんに適した空気圧を設定することで、睡眠中に気道が塞がれるのを防ぎ、呼吸がスムーズにできるようになります。

大人の睡眠時無呼吸症候群が遷延すると…

大人の場合、日中の眠気集中力低下いびきなどに加えて、以下のようなことが起こります。

睡眠時無呼吸で体に酸素が行き渡らないと、心臓は全身に血液を送るために心拍数を増加します。そのため心機能の低下を来します。血液を回す必要があるため、高血圧になり、酸素が行き渡らないため酸化ストレスがかかり、動脈硬化が進みます。その動脈硬化により、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上昇します。睡眠不足によるストレスで、血糖値やコレステロール値が上がり、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病メタボリック・シンドロームが引き起こされます。

なによりも、これらの病気は少しずつ近づいてくるため、今は全く問題がなくても、将来的に起こす可能性があり、できるだけ早く治療介入してあげる必要があります。

子どもも大人も、いびきや無呼吸は早めに治療を!

いかがでしたか?

すこしうるさいくらいなら様子を見ていたかもしれませんが、睡眠時無呼吸症候群はいろんな病気のリスクを上げる、”サイレントキラー”です。

もし家族や友達にいびきを指摘されたことがあるようでしたら、一度検査をしてみてはいかがでしょうか。

たけちゃん先生
たけちゃん先生

一時的ないびき改善には、横向きの就寝がおすすめです。

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