睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まることで、日中の強い眠気や集中力低下、高血圧・心疾患などのリスクを高める疾患です。
症状が軽い場合は気づきにくいこともありますが、いびきや無呼吸を家族に指摘された方、日中の眠気に悩む方は早めの受診をおすすめします。
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睡眠時無呼吸症候群の主な治療法
睡眠時無呼吸症候群の治療法は、重症度・原因・ライフスタイルによって選択されます。ここでは代表的な治療法をご紹介します。
1. CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
- 適応:中等症〜重症のSAS
- 方法:睡眠中に専用マスクを装着し、一定の圧をかけた空気を送り込むことで、気道の閉塞を防ぐ治療法です。
- 特徴:症状改善効果が非常に高く、日中の眠気や疲労感が早期に軽快することが多いです。
- デメリット:装着への慣れが必要で、毎日の使用継続が重要。
2. マウスピース(口腔内装置)
- 適応:軽症〜中等症のSAS
- 方法:下顎を前方に固定することで、睡眠中の気道を広げて無呼吸を防ぐ装置です。
- メリット:CPAPに比べてコンパクトで携帯性が高い
- デメリット:重症例では効果が限定的。
3. 外科手術
- 適応:扁桃肥大・口蓋垂過長など解剖学的原因が明らかな場合
- 方法:扁桃腺摘出術、口蓋垂切除、鼻中隔矯正術など、気道を広げる目的で行います。
- 特徴:根治的な効果が期待できる場合もありますが、適応症例は限られます。
生活改善で症状を和らげる方法
治療法と並行して、日常生活の見直しも重要です。特に軽症〜中等症では、生活習慣の改善が大きな効果をもたらすこともあります。
1. 体重管理と減量
肥満は睡眠時無呼吸症候群の最大のリスク因子です。首回りや上気道周囲の脂肪が気道を圧迫し、無呼吸を悪化させます。
- BMI25以上の方は5〜10%の減量でも症状が改善する可能性があります。
2. 横向き寝の推奨
仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込み、気道が狭くなります。
- 横向き寝用の抱き枕やクッションを使うと無呼吸発作を減らせるケースがあります。
3. 飲酒・喫煙の制限
- 飲酒:就寝前のアルコール摂取は咽頭の筋肉を緩め、無呼吸を悪化させます。
- 喫煙:気道の炎症を起こし、狭窄を助長します。禁煙が理想です。
4. 睡眠薬の使用に注意
安易な睡眠薬の使用は、呼吸抑制を起こす場合があります。
睡眠導入剤を使用する際は、必ず医師に相談してください。
自宅でできるセルフチェックと受診の目安
以下の症状に当てはまる場合は、早めの医療機関受診がおすすめです。
- 家族に「寝ているときに呼吸が止まっている」と指摘された
- 大きないびきをかく
- 起床時の頭痛や倦怠感
- 日中の強い眠気、集中力低下
- 高血圧や糖尿病を合併している
これらの症状がある方は、まず**簡易検査(自宅で行う睡眠ポリグラフ検査)を受け、その結果に応じて精密検査(終夜ポリソムノグラフィー)**へと進むのが一般的です。
まとめ|治療と生活改善で快適な睡眠を
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると高血圧・不整脈・脳卒中・心筋梗塞などのリスクを高める疾患です。しかし、適切な治療と生活習慣の見直しにより、多くの方が快適な睡眠を取り戻せます。
当院では、検査から治療・生活指導まで一貫したサポートを行っています。
「眠っても疲れが取れない」「日中の眠気がつらい」と感じる方は、お気軽にご相談ください。
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