鼻血が出てきてティッシュを詰めていたけど、なかなか止まらなくて…
ティッシュを詰めた止血法は、再出血の原因にもなりますよ!
鼻血の原因を知って、正しい止め方を確認しましょう。
鼻血はどこから出ているの?
指で鼻を触っていたり、トイレで踏ん張ったり、はたまた何もしていなかったり。鼻出血は何気ない状況で突然出てくるやっかいな病気です。
まずは鼻出血を来しやすいのはどこなのか、見てみましょう。
上のイラストは鼻の内部を横から見ている状態です。左右を分けるしきりの役割をする鼻中隔の表面ですが、特にその前方にはたくさんの動脈が集まる”キーゼルバッハ部位”という場所があります。
ここは動脈がほかの動脈と吻合する場所であり、また粘膜の浅いところを走行するため、指でひっかくなどの物理的な刺激に弱い場所です。
このキーゼルバッハ部位からの鼻出血が、全体の8~9割を占めます。
キーゼルバッハ部位からの出血は、動脈といっても末端の細い部位であり、大量に出血することはなかなかありません。ポタポタ、と滴る程度の出血のことがほとんどです。
では残りの1~2割はどこから出るのかというと、鼻の奥の奥、蝶口蓋動脈といわれる太い血管やその周辺の血管から出ます。
こちらは指が届くところではなく、糖尿病や生活習慣病が原因で動脈硬化が起き、高血圧症によって耐えられなくなった血管から文字通り「滝のように」出血します。
鼻血の対処法
先ほどのお話で、8~9割はキーゼルバッハ部位からのポタポタ出血、残りは鼻の奥からの滝のような出血、とお話ししました。
つまり、8~9割は止め方次第で止められる可能性がある、ということです。
最初のイラストの会話で、「鼻にティッシュを詰めて止める」、という方法をしていましたが、あれはあまりよくない方法の1例です。
たしかにティッシュを詰めることで一時的に出血点を抑えられ止血できますが、同時にティッシュもその場で固まります。ティッシュを抜くときに周囲のかさぶたも一緒にはがれ、また出血してしまいます。
また、ティッシュは一見柔らかいですが、鼻の粘膜からすると固く、粘膜にさらに傷をつけ、出血が悪化する可能性があります。
正しい対処法はなにか。それは、以下の4点です。
- 鼻翼を圧迫する!
- 上は向かない!少し顎を引いて下を向く!
- ティッシュなどを鼻に詰めない!
- できれば鼻を冷やす!
鼻翼を圧迫する
鼻翼とは、鼻の先の左右に広がっている部分、いわゆる小鼻です。
この鼻翼の内側の鼻中隔が、ちょうど鼻出血を起こしやすいキーゼルバッハ部位にあたります。
ここを左右から鼻をつまむように圧迫することで、出血しているところを直接抑え、止血することができます。
基礎疾患がない方であれば、だいたい鼻翼を10~15分ほど圧迫すると止血することができます。
上を向かない、少し下を向く
上を向くとどうなるでしょうか。たしかに前からはポタポタ落ちなくなりますね。
ただ前に垂れなくなった血は、鼻の奥からのどに垂れこんでいきます。
ペッと口から出せればいいのですが、たいていはそのまま飲み込んでしまうと思います。
血液は、飲み込むと吐き気を誘発させる「催吐性」があります。そのため、鼻出血を飲み込み続けると、だんだんと気分が悪くなり、吐いてしまうことになるのです。
そうならないために、上は向かず、少し下を向くことで、血液の飲み込みを未然に防ぐことができます。
ティッシュなどを鼻に詰めない
こちらは先ほどお話ししたように、ティッシュなどの異物自体で鼻の粘膜を傷つけることがあること、たとえ鼻出血が止まったとしても、ティッシュを引き抜く際にかさぶたを一緒にはがしてしまい、再出血する可能性があることから、ティッシュなどを鼻に詰めて止血することはお勧めできません。
できれば鼻を冷やす
お風呂に入った後に鼻血が出たことがある人もある程度いるのではないでしょうか。
温かいと血管が開き、出血しやすくなります。逆に冷やすことで血管は絞まり、出血しにくくなります。
鼻の血管も同様に、冷やすことで血管が絞まり出血が止まりやすくなります。
それでも止まらない… 出血が多い…
それでも止まらない場合、キーゼルバッハ部位でも少し奥の出血であったり、鼻の奥の太い血管からの出血だったりすることがあります。
その場合は上記の4つの方法でも止まらない可能性があり、その時は耳鼻咽喉科を受診したり、夜間であれば救急外来に連絡してみてください。
また、基礎疾患などがあり血をサラサラにする薬(抗血小板薬、抗凝固薬といわれる薬)を飲んでいると、普通の方より血が止まりにくい状態です。その場合も、まずは上記4つの方法を試してみて、難しければ耳鼻咽喉科を受診してみてください。
いかがでしたでしょうか。
鼻出血はほとんどの方が経験したことがあると思いますが、まずは先ほど挙げた
- 鼻翼を圧迫する!
- 上は向かない!少し顎を引いて下を向く!
- ティッシュなどを鼻に詰めない!
- できれば鼻を冷やす!
を試してみてください。
自分で止める術を知っていると、いざという時に役立ちます。
ぜひ試してみてください!
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