扁桃肥大・軟口蓋・口蓋垂が原因のいびき:治療選択肢と術後の経過

いびき、睡眠時無呼吸症候群

1. はじめに

扁桃肥大や軟口蓋・口蓋垂の形態異常は、いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因になり得ます。本記事では、これらの形態異常に対する治療法、手術内容、術後の経過と回復について医師監修のもとわかりやすく解説します。

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2. 口腔内形態異常がいびきにつながるメカニズム

扁桃肥大や口蓋垂(のどちんこ)の長さ・軟口蓋のたるみがあると、上気道が狭まり、睡眠中の空気の通りが妨げられます。特に仰向け寝では舌根や限られた気道がさらに圧迫され、いびきの原因になります。


3. 治療選択肢と手術内容

3.1 扁桃摘出術(Tonsillectomy)・アデノイド切除

  • 適応:扁桃肥大・アデノイド肥大が明らかで、いびきや口呼吸、SASを引き起こしているケース。
  • 手術法:口腔内の扁桃、アデノイドを切除。多くは全身麻酔下で行い、入院期間は1週間程度。
  • 術後経過:数日でいびき改善。痛みは1〜2週間続くこともあり、術後フォローが必要。

3.2 口蓋垂・軟口蓋形成術(UPPP/LAUP)

  • 適応:軟口蓋や口蓋垂が長い・太い場合の単純性いびき、軽度SAS。
  • UPPP:口蓋垂・軟口蓋の切除・形成。入院を伴うことが多く、回復に時間を要する場合も。
  • LAUP(レーザー):局所麻酔で日帰り可能な手術。出血少なく侵襲が少ない。いびき改善に有効だが、重症SASには効果が乏しいことも。

3.3 その他の低侵襲手術

  • レーザー治療(パルスサーミアなど):軟口蓋の粘膜を引き締め、いびきを改善。施術は短時間。

4. 術後の経過・リスク

手術法術後の経過特記事項
扁桃摘出術約1〜2週間痛み・喉の違和感あり。柔らかい食事が推奨、過度の運動・入浴は避ける。出血リスク注意。再診受けること。
UPPP痛み・腫れ:2〜3週間続く。鼻漏や開鼻声の可能性も。効果は限定的。慎重な術前評価が必要。
LAUP術後1週間の痛み・違和感あり。出血少、日常生活に早く戻りやすい。効果は個人差あり。重症例は不向き。

5. 合併症と注意点

UPPPなどの軟組織手術では 瘢痕による気道狭窄開鼻声、鼻への逆流が生じるリスクもあります。リスクの高い手技は手術前に医師と十分に相談が必要です。


6. 内部リンク・外部リンク


7. まとめ

  • 扁桃肥大や軟口蓋・口蓋垂の形態異常は、いびき・SASに直結する要因。
  • 扁桃摘出術・UPPP・LAUPなど、それぞれに適応・術後経過・リスクが異なる。
  • 手術を検討する場合は、医師との十分な相談と術前評価が不可欠です。
  • 正しい治療により、快適な睡眠と生活の質の向上が期待できます。

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